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PINO PALLADINO & BLAKE MILLS featuring CHRIS DAVE & SAM GENDEL

artist BLAKE MILLS , CHRIS DAVE , PINO PALLADINO , SAM GENDEL

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

ジェフ・ベック、ザ・フー、ナイン・インチ・ネイルズ、エド・シーラン、ディアンジェロ、ジョン・メイヤー、エリカ・バドゥ、アデルらの表現にも貢献する"史上最強のセッション・ベーシスト"のひとり、ピノ・パラディーノ。

フィオナ・アップル、ジョン・レジェンド、アラバマ・シェイクス、ジャック・ジョンソン等の音作りにも関わる異能のシンガーソングライター/ギタリスト/プロデューサーであるブレイク・ミルズ。

サム・ウィルクスとのコンビでも目覚ましい活動を示し、レスター・ヤングなどジャズ史上の巨人も敬愛しつつ、サックスやウィンド・シンセサイザーで限りなく未来的なサウンドを創出するサム・ゲンデル。

ファンク・ユニット"ミント・コンディション"やケニー・ギャレットのバンドを経て、ロバート・グラスパー・エクスペリメントで恐るべき才能を満天下に知れ渡らせたカリスマ・ドラマーのクリス・デイヴ。

ピノ・パラディーノ&ブレイク・ミルズ名義のアルバム『Notes With Attachments』(2022年)と『That Wasn't A Dream』(2025年。先ごろ行われた第68回グラミー賞で"非クラシック部門 最優秀エンジニアリング賞"受賞)を通じて、アンサンブルの奥深さ、インストゥルメンタルのスリルと遊び心、音色の細やかなテクスチャーをこれでもかと伝えてくれた4人が、昨日からブルーノート東京でライヴを繰り広げています。音楽の面白さを猛烈に広い範囲でカヴァーしているといっても過言ではない面々が、輪を描くように位置して、じっくりと椅子に座りながらサウンドを紡いでゆく姿を、文字通り"目撃"できるのです。

セットリストには先に挙げた2作からのナンバーがほぼ含まれていた、といっていいでしょう。フレッテッドとフレットレスの両ベースを操るほかにギターの妙技も聴かせたピノ、ウィンド・シンセでピアノのような響きまでも導き出すサム(ソプラノ・サックスによるパートでは古典的なスタンダード・ナンバー「The Surrey With The Fringe On Top」のようなメロディも私の耳には聴こえました)、変形シンバルを盛り込んだ独自のドラム・セットを中心にパーカッション類でも縦横無尽のプレイを聴かせたクリス、キメ細かなピッキングで空間に和音を滲ませるとともに"ここしかない"といいたくなるタイミングにハーモニクスを挟み込むブレイクの充実したプレイが、低音から高音までたっぷりと身の詰まった、見晴らしのよいPAを通じて楽しめるのは喜びの一言に尽きます。

MCは一切登場しませんでしたが、演目はメドレー形式ではなく、ひとつひとつの楽曲が完奏されていきます。当然ながら各曲のエンディングの後、超満員のオーディエンスは大きな拍手をおくります。そして、楽器交換のために曲間があくときは客席も静まり返り、"かたずをのんで、4人が次に出す音を手ぐすね引いて待っている"という感じです。心憎いまでのテンション&リリースに満ちた演奏が終了し、場内が明るくなった時、なんだか夢からさめたような気分になったのは私だけではないと思います。音楽のワンダー(驚異)に触れることのできる必見の公演は9日まで続きます。
(原田 2026 3.7)

Photo by Tsuneo Koga


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【LIVE INFORMATION】

PINO PALLADINO & BLAKE MILLS
featuring CHRIS DAVE & SAM GENDEL
2026 3.6 fri., 3.7 sat., 3.8 sun., 3.9 mon. ブルーノート東京
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